インターネットで自分の名前を検索したときに、昔のニュース記事や不要になった情報が出てきて困った経験はありませんか?
ヨーロッパでは、そうした状況に対応するために 「忘れられる権利(Right to be Forgotten)」 という制度が認められています。
忘れられる権利とは
「忘れられる権利」とは、Googleなどの検索エンジンに対して、古くなったり不正確になった個人情報を検索結果から削除してほしいと請求できる権利です。
これは2014年、EU裁判所の判決をきっかけに広まり、その後 GDPR(EU一般データ保護規則) に明記されました。
削除を求められる情報の例
- すでに解決済みの逮捕・裁判の記事
- 古い住所や職業に関する情報
- 今では事実と異なる内容の記事
- 公益性がなく、個人に不利益だけを与える情報
削除が難しいケース
ただし、どんな情報でも削除できるわけではありません。
- 政治家や有名人に関する記事
- 詐欺や金融トラブルなど公益性がある情報
- 単に「気に入らないから消したい」という理由
このような場合は、社会的に「知る必要がある」と判断され、削除されないこともあります。
実際の申請方法
Googleには専用フォームが用意されています。
👉 検索結果から削除をリクエスト(忘れられる権利)
申請に必要なもの:
- 氏名と連絡先
- 削除してほしい検索結果のURL
- 削除理由(なぜプライバシー侵害なのかなど)
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
Googleが審査し、認められれば検索結果から該当ページが削除されます。
日本ではどうなのか?
日本では「忘れられる権利」という言葉自体、あまり一般的ではありません。
しかし、検索結果の削除を求める裁判が過去にあり、一定の条件のもとで認められたケースもあります。
つまり、日本でも完全に無関係ではない制度といえます。
まとめ
インターネットは便利ですが、過去の情報が半永久的に残り続けるというデメリットもあります。
ヨーロッパで広がった「忘れられる権利」は、そうしたデジタル時代の新しいプライバシー保護の仕組みです。
もし検索結果に古い情報が残って困っている場合、こうした制度があることを知っておくだけでも役立ちますね。
エクスペクト合同会社 代表社員 | Elementor Expert |
アパレル商社、証券会社、IT関連・広告関連企業の役員を経て2017年に独立。これまで1,000サイト以上に携わる。
TOFUラボ主催 第3回マジワン『コード書かないウェブサイトコンテスト』優勝。