最近、迷惑メールが増えていませんか?
迷惑メールと一口に言っても、主に2種類あります。
1. 迷惑な営業メール
お問合せフォームを使った営業メールが最近増えています。
これは、そういった営業メールを送るサービスが存在するからです。
公開しているメールアドレスに直接送るよりも、お問合せフォームから送信されたメールは「お問い合わせだから見なくては!」という心理が働き、開封率が高まります。
しかし、社員が一件一件手作業でフォームに入力するのは非効率なため、代行サービスが利用されています。
では、このような営業メールをどうブロックすれば良いのでしょうか?
正直、完全に防ぐ方法はありません。
お問合せフォームへの手動入力を止めることは不可能です。
唯一の対策としては、メーラーでフィルターをかけることくらいでしょう。
2. ロボットによる攻撃
ロボットとは、プログラムされたシステムがお問合せフォームを自動的に見つけ出し、各項目にランダムなテキストやメールアドレスを入力して送信するものを指します。
ロボットか人間かを見分けるポイントとして、お問合せフォームのチェックボックスの扱い方があります。
人間であれば必要な項目にのみチェックを入れますが、ロボットは全てにチェックを入れてしまう傾向があります。
もっとも、稀に人間でも全ての項目にチェックを入れることがありますが…
ロボット攻撃に対しては、いくつかの対策があります。
reCAPTCHAによるロボット対策について
ロボットからの攻撃に対する有名な対策として、Googleが提供しているreCAPTCHA(https://www.google.com/recaptcha/about/)があります。
以前は「私はロボットではありません」という質問にチェックを入れる形式でしたが、現在はAIが自動的に判定してくれます。
それでもこのシステムをすり抜けてくる場合、reCAPTCHAのスコアを上げることで防ぐことが可能です。
通常このスコアは10段階の5に設定されていますが、この設定を6、7、8、と上げることでロボット判定を厳しくすることができます(下図参照)。
ただし、スコアを上げ過ぎると人間もロボットと誤認される可能性があるため、テストを繰り返しながら適切なスコアに設定する必要があります。
なお、reCAPTCHAはGoogle以外にも提供されていますが、現時点ではGoogleのものが最も精度が高いとされています。
Honeypotを設置する
日本ではあまり馴染みがありませんが、「Honeypot(はちみつの壺)」という手法があります。
名前の由来は、くまのプーさんがはちみつを求めて手を突っ込み、ミツバチに刺されるエピソードにちなんでいます。
具体的には、人間には見えないがロボットには見える入力フォームを用意し、そこにテキストが入力されたかどうかでロボットか人間かを判別する仕組みです。
当社でもこのHoneypotを採用していますが、この方法も完全ではないため、複数の対策を組み合わせることが重要です。
その他の方法
多くの場合、最初に紹介したreCAPTCHAで十分ですが、もしそれでも解決しない場合は、他の方法を試してみるのも良いでしょう。
1つ目は、URLを変更する方法です。「このページにお問合せフォームがある」という情報が出回っている場合に有効です。
業者間でそうした情報が売買されている可能性も考えられます。
その場合、URLを変更すれば、営業メールも減るかもしれません。
ちなみに、この方法を採用することで、毎日送られてくる迷惑メールがピタッと止まったというケースもあります。
URLを変更した際は、リンク切れに注意しましょう。
リダイレクトを使うと意味がないので、リンク元を調べてひとつひとつ丁寧に修正する必要があります。
もう1つの方法は、お問い合わせページに「no index」を設定する方法です。
「no index」とは、Googleなどの検索エンジンに対して「このページを検索結果に表示しないでください」という指示を出す仕組みです。
これにより、ロボットがフォームを見つけにくくなる可能性があり、Googleの検索結果から直接フォームに飛ぶことを防ぐ効果も期待できます。
ワードプレスの場合、この設定はSEOプラグインで行うことが多いです。
まとめ
お問合せフォームからの迷惑メールは意外と業務に妨げになるので避けたいものです。
しかし、重要なお問い合わせもフォームから来るのも事実で、対策もそのバランスが重要だと思います。
できる限りの対策を取りながらユーザービリティを損なわないことが大切です。
おまけ
ホームページ上にメールアドレスを公開する場合、ロボットがそのメールアドレスを回収し、直接迷惑メールを送信してくることがあります。
これを防ぐための対策として、メールアドレスを暗号化してロボットに回収されないようにする方法があります。
詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
エクスペクト合同会社 代表社員 | Elementor Expert |
アパレル商社、証券会社、IT関連・広告関連企業の役員を経て2017年に独立。これまで1,000サイト以上に携わる。
TOFUラボ主催 第3回マジワン『コード書かないウェブサイトコンテスト』優勝。